キーレスエントリーは安全ではない [技術動向]
Keyless car systems not secure, researchers find
スイスの研究機関が8種のメーカーの10種の車について実験をして、
キーレスエントリーが安全ではないことを発見した。
(詳細な方法はこの記事には載っていないが)
発見されたキーレスエントリーを破る方法は、
暗号の解読やプロトコルの解明の必要がないらしい。
2つのアンテナを利用し、ひとつは車の近くに、もうひとつは鍵から8メートル以内に配置することで
車をだましてキーレスエントリーを破ることができるとのこと。
またこの方法は有線バージョンと無線バージョンがあり、
前者だとだいたい50ドル、後者だと100ドルから1000ドルぐらいのコストで実現できるらしい。
この発見については来月にサンディエゴで開催されるシンポジウムで詳しく議論される。
今回発見された方法によって、キーレスエントリーが使い物にならなくなる、という訳ではない。
そももそも、車を盗むもっと簡単な方法はいくらでもある。
しかし、車メーカーがシステムを改良するには十分な理由となる発見であろう。
タグ:キーレスエントリー
Googleはダウンタイムをなくす [技術動向]
Infrastructure Key to Google’s No-Downtime Guarantee
Googleのblogによると、GoogleはGoogle Appsのダウンタイム限りなく0にしようとしている。
世界中に分散したインフラ(100万以上のサーバがあると見積もられている)がこれを可能にさせる。
データセンターや特定のサーバを停止させなければいけないときも、
処理を別の場所で走らせることでダウンタイムをなくす。
Gmailのダウンタイムは現在99.984%で、これは1ヶ月に7分のダウンタイムであることを意味する。
これはMicrosoft Exchangeなどの他社サービスと比較してもきわめて良い値である、と
Googleのblogには書かれている。
ただし、このblogでは、Microsoft BPOSやIBM LotusLiveとの比較はされていない。
クラウドサービスにおいてGoogleのライバルであるMicrosoftと比較することは面白い。
MicrosoftもGoogleと同様に大規模な分散サーバシステムを持っている。
有料サービスのMicrosoft Office 365は、
SLA(Service Level Agreement)が99.9%であることが約束されている。
一方Googleは無料サービスとして上記のSLAを提供しようとしている。
クラウドHACKS! ―同期と共有でラクチン・ノマドワークスタイル
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スマートメータは信用できるのか? [技術動向]
Smart Meters, Dumb Backlash
アメリカのカリフォルニアにあるBakersfieldという都市がスマートメータを導入した。
ところが、多くの住民はスマートメータを憎んでいる。
スマートメータとは、各家庭の電力消費をリアルタイムに計測し
それを電力会社にネットワークを通じて即座に通知する機能をもつメータのことである。
システムは、電力消費量の増減を見て、電気の値段を動的に
変更することが可能になる(夏の暑い時期は高くするなど)。
すると、人々の電力消費量を減らすことがるので、
結果として過剰な電力消費による停電を防ぐことが可能になる。
Bakersfieldでの試験導入が2003年から2005年に行われ、
動的な価格変更システムによって13%の電力削減に成功した。
2006年から本格的に導入がスタートし、順調に運用されていたが、
2009年に急に住民が不満を言うようになった。
というのも、2009年の電気代が、例年の4倍近くまで跳ね上がったからである。
住民はスマートメータが壊れているのではないかと疑念を抱くようになった。
電力会社PG&Eは、その疑念は間違いであると主張したが、
騒ぎは収まるどころか大きくなり、結局、法廷で争われることになった。
そして、調査会社が調査を行った結果、スマートメーターに問題はないことが判明した。
それではなぜ2009年に急に住人が疑念を抱くようになった理由は何か?
2009年の夏は、Bakersfieldはとても暑かったのである。
(例年華氏100度を超える日は6日しかないのに、その年は17日もあった。)
これにより、電力消費が短期的に跳ね上がり、結果として、電気代が跳ね上がったのである。
結局、問題だったのは、
どのような料金体系が敷かれているのか住民が理解できていなかったこと、
(4つの料金帯を使用量に応じて遷移するシステムがとられていた)
そして、その手助けをPG&Eが行わなかったこと、
そして、疑念の沸き始めの際のPG&Eの住民への対応が非常に悪かったこと、
である。
スマートメータの技術に何の落ち度もなかったのであるが、
Bakersfieldでの一件は、スマートメータの評判を落とした。
別の都市にスマートメータを導入する際にも、
Bakersfiledでは何がおきたのか、そしてうちの都市では起こらないようにするにはどうしたらよいか、
を必ず聞かれるようになった。
スマートグリッド解体新書―動き出した巨大産業と企業戦略 (B&Tブックス)
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データセンタは変わろうとしている [技術動向]
Look Out! Your Data Center Is About to Change Again
データセンタの主流がARMになる。
ARMは省電力である。そしてライセンス形態の自由度の高い。
Calxedaという会社はサーバマーケット用のARMベースのシステムを開発している。
サーバマーケットはこの25年の間に4つのフェーズを経験してきた。
すべてのフェーズにおいて、高効率で価格が安いものに置き換えられてきた。
メインフレーム→ミニコンピュータ→UNIXサーバ?→x86サーバである。
20000とか50000とかのサーバを保持するとき、電力消費は相当なものになる。
そしてそれがビジネスの障壁となる。
ARMベースのサーバは電力消費が非常に少なくなる。
一つ一つのcoreのパフォーマンスは低いかもしれないが、
同一のパフォーマンスを提供するための電力消費は1/10で済む。
ARMはまだ32bitプロセッサであり4GBのメモリしか扱えないという問題がある。
サーバようのソフトウェアで64bitに特化されているものは動かない。
しかし32bitでも64bitでも動くアプリケーションにおいては、通常32bitのほうが効率が良いはずである。
今後10年のうちに、ARMは64bitになるだろう。
そしてパフォーマンスも向上し、ARMサーバも規模を拡大していくだろう。
トランジスタ技術増刊 ARMマイコンパーフェクト学習基板 2010年 09月号 [雑誌]
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- 出版社/メーカー: CQ出版
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タグ:ARM
中国は2020年までに1000万個の電位自動車用パーキングスポットを設置する [技術動向]
China on track to have 10 million EV parking spots by 2020
中国は、2020年までに1000万個以上のEV(電気自動車)用パーキングスポットを設置する予定である。
中国市場は、ハイブリッド車や水素燃料をすっ飛ばして、一気にEVにシフトしようとしている。
中国政府は18000ドルもの補助を出し、都市部でのEVの価格を押し下げようとしている。
記事の要約は以上。今日は短い。
中国での電気自動車関連は大きなビジネスチャンスなことは間違いない。
ルノーの産業スパイのニュースも世間をにぎわしているが、
電気自動車に関する技術は、日本が大きなアドバンテージを持っているもの一つなので、
ぜひ中国市場を席巻できるように頑張ってもらいたい。
エコブランディング ―なぜ富裕層はエコ商品を選んでしまうのか?
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スマートフォン版Google翻訳は会話もリアルタイムに翻訳する [技術動向]
Google now translates your conversations
Googleは言語の壁を溶かそうとしている。
Google Translateのスマートフォン版は我々の会話をその場で翻訳してくれる。
Andorid上で走るこのアプリにむかって話すと、
相手の言語に翻訳してくれるのである。
今のところユーザはフレーズごとに“submit”ボタンを押す必要があるが、
エリックシュミット(Googleのトップ)によると18ヶ月以内にリアルタイムに
翻訳出来るようになるとのこと。
Google翻訳のこの「会話モード」は、以下のような動作の流れになっている。
まず、端末がユーザの声を取得する。
それをGoogleサーバに送信し、
サーバが音声認識をしてテキストに変換し別の言語へ翻訳する。
そして端末に送り返すのである。
Google翻訳はEUや国連から提供された検証済みの
公式翻訳インデックスを使用して翻訳結果を送り返してくる。
(おそらく複数の翻訳候補が返ってくることを意味している?)
これは、我々が毎日行っているGoogle検索の結果表示と似ている。
まずは英語とスペイン語のみをサポートしたαバージョンからのスタートであるが、
近い将来他の言語も対応するとGoogleは言っている。
記事の内容は以上。
これが広まるとGoogleは我々の会話の内容までも把握し、
それに基づいた広告提示をしてくるようになるのだろうか。
Googleトイレの懸念がより現実味を帯びてくる。
でも、日本語⇔英語や、日本語⇔中国語が使い物になるなら絶対に使ってしまいそう。
Google恐るべし。
みるみる英語力がアップする音読パッケージトレーニング(CD BOOK)
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AppleはUS特許でも存在感を増してきている [技術動向]
Apple doubles US patents in 2010 to reach 46th place
Appleは2010年は563件のUS特許を取得。
2009年は289件だったのでおよそ2倍に。
ランキングでは第49位に位置する。
ほとんどが2004年か2005年に出願したものであり、
その後もAppleの存在感は増すばかりなので、
特許もより一層増えていくであろう。
なお、US特許のランキングは以下のようになっている。
2010年の第1位はIBMの5896件。
IBMは18年もの間、第1位を維持している。
第2位はSamsung。
第3位は3094件のマイクロソフト。
第6位が東芝。
第7位がソニー。
第8位がインテルで1653件。
第10位がHPで1480件。
歯医者のドリル音をなくせ [技術動向]
Dentist Drill Noise Reducer Invented
歯医者のドリル音を消す発明について。
患者はドリル音の代わりにMP3プレイヤーの音楽を聴く。
この発明では、ドリル音の周波数を検知し、その音をキャンセルしてしまうことで、
患者の(MP3音楽を聴いている)耳には届かないようにする。
歯医者の話は、ドリル音とは周波数が全く異なるのでキャンセルされずに患者に聞こえる。
この発明は、スポーツカーメーカーLotusが走行中のノイズを減らすための開発をしていたところから
インスピレーションを受けたものである。
この発明によって歯医者を恐怖に思う人が減り、気軽に歯科検診が受けられるようになる。
この発明を実現したガジェットはとても歯医者にとって費用対効果が高いものになっている。
天井照明がWebを運ぶ [技術動向]
Zombie Tech: These Ceiling Lights Are Delivering the Web
無線電波や有線ケーブルの代わりに、LEDの天井照明が情報を伝達する。
LVX Systemは、DSL並みのスピードが出るシステムをすでにミネソタの6つの建物に導入済みである。
もちろん、天井照明を遮ると通信が出来ないという問題はあるが、
そもそも天井照明をLEDに置き換えると電気代安くなるという十分なメリットがある。
通信機能はあくまで副産物なのである。
ペンシルバニア州の研究者によってWi-Fiの14倍高速なシステムを開発中であるし、
LVX Systemも次世代機では少なくともWi-Fiよりは高速になることを約束している。
実はこの技術は古くから知られた技術の焼き直しなのである。
(なのでタイトルはゾンビテクノロジーになっている。)
Alexander Graham Bellは、1880年に“photophone”というアイディアを公開している。
これは、変調された光を通して音声を送るというものである。
この仕組みを使ったシステムは70年代にIBMチューリッヒによってインターネットに導入されようとしたが、
そもそも無線インターネットへの要求がほとんどなかったために廃れていった。
可視光通信の世界―LEDで拓く「あかりコミュニケーション」 (ケイブックス)
- 作者:
- 出版社/メーカー: 工業調査会
- 発売日: 2006/01
- メディア: 単行本
タグ:光通信
フェラーリが人の心を読む [技術動向]
Ferrari Working On Mind Reading Technology?
フェラーリの新しい特許は、ドライバーの心と身体の状況を読み取ってくれる。
そして、車の状態をそれにあわせて調整し、事故を未然に防ぐ。
車内にセンサー郡を取り付け、ドライバーの状態を監視する。
ドライバーは自分の運転スキルを過信するものである。
運転されている車はドライバーの(そういう運転をしたいという)願望を表しているものであり、
実際の運転スキルを表しているものではない。
この技術はドライバーの、呼吸、血圧、心拍、目の動き、
まばたきの間隔、脳波、体温、発汗を監視する。
もし、ドライバーが良くない状態にある場合、センターへの通知を行うことも可能になる。